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たった数分前と後とでは、状況が天と地ほど一変した。「助けた」側にいたはずが、「加害者」側に押し出されたのだ。
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事実、接触もしていないし、事実、通り過ぎてからの出来事なのである。 が、事態を説明できるのは事実、てる子しかいない状況に陥っている。
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説明は試みたが、見も知らぬ他人の意見よりも、多勢に無勢。仲間意識。リーダーの発言力。一気に流れ出した勢いは止まらず、てる子が何を言い出そうともその場の波の流れは変えられず、てる子の意見は何事もなかったかのように流されたのだった。
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てる子はいたたまれなくなった気持ちと、ちょっとの冷静な仕事に行かなくてはの気持ちと、ここにいたくない気持ちが入り混じり、停めてあった自分のチャリの所へ行くと、ご婦人方を背に、また仕事場までの道をチャリでこぎ始めた。
【続く】