『前回までのあらすじ』
朝から色々あった。 いつもの日常のはずが、ちょっとした事から非日常になり、気持ちも上がったり下がったり目まぐるしく変化し、正直疲れた1日になったが、
仕事も無事に終わり、てる子は今日1日の出来事を振り返った。
転んだご婦人を助けたが、お仲間達に信じてもらえずに疑惑の目を向けられた。
そんな中人を助ける事自体が怖くなった。
そんな重苦しいすさんだ心を変えてくれたのが、まだ幼い少女だった。
少女が拾ってくれた優しさと笑顔がてる子の乾ききった胸に沁みわたった。
そして、てる子の心に咲いた新たな芽はこうも考えた。
もしかしたら・・・
もしかしたら・・・ 倒れたご婦人も落ち着いたら、、
ちゃんと言ってくれていたかもしれない。
そして、私ももっとちゃんと説明していたら、、
分かってくれたかもしれない。
段々悩んでいる必要がない事のように思えてきた。 自分は悪い事をしたわけではない。 それをどう取られようが、少女がしてくれたようにこれからも自分が思ったことをやるべきだ。 というかそれ以上はないのだ。
こんな小さい子が純粋に人を思いやれるのに、大の大人が人を助ける事を怖がるなんて・・・
これから先も何が起こるか分からないけれど、全てが上手くいくとも思っていないけれど、あの時悩んだこのモヤッとした気持ちを自分が受けたからといって次からもそう考えていくのは間違っていると、自分がやってあげられる事はしていくべきだと、そう少女から気付かせてもらえた。
ネガティブに考えていた物事を少女の純粋な心が私の心のモヤを吹き飛ばしてくれた。
【完】